拡張子の話

創作Tips

もう完全に冬目前となりました。
私は絶賛ウォームビズのため、まだ暖房類を使用しておりません。
皆さんは体調を崩さないようにお気を付けください。

改めましてこんにちは。
デジタル職人株式会社 人事の小林です。

今回は不定期シリーズの創作Tipsについてですが、
タイトルにある「拡張子」にフォーカスしたお話です。
わかっているようでわかっていないこの部分、
一緒に勉強していきましょう。

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 拡張子とは

そもそもこれは何ですか?という方もいらっしゃるかと思います。
拡張子とは、ファイルフォーマットのこと。

簡単に言えば、
「このデータは何のソフト用ですか」
「どんな種類のデータですか」
といった内容を区別するための記号です。

保存形式だとか、独自保存形式とか様々な呼び名をする場合がありますが、
「拡張子」という表現であれば一般的かと思います。
このデータを見て、どのソフトで対応するかをパソコンが判断します。

よく見かけるものとしては、

.txt /テキストファイル(Windowsのメモ帳など)
.pdf /画像なども表示できる文章ファイル(Adobe Acrobat)
.exe /実行ファイル(ダウンロードしたソフトのインストールなど)
.zip  /圧縮フォルダ(他にも.lzhや.rarなども圧縮フォルダです)
.mp3 /音源データ(一般的な楽曲のデータなど)

等があるかと思います。

それぞれに対応したソフトを開いて閲覧や操作をすることになりますが、
意外な形式でも開ける場合があったりしますので、
それぞれの拡張子について知っておくことで、
日常生活や制作現場で役に立つ場面が出てくるでしょう。

 

クリエイティブ現場の拡張子

一般的なものは上記となりますが、
弊社のような制作現場ではどうなのかもお伝えしたいと思います。

以前の記事でも触れましたが、
制作に使用するソフトは一般向けのものと異なる場合がほとんどです。
そのため、拡張子に関してもあまり見慣れないものが存在します。
弊社としてよくお見かけするものとしては、

.clip(クリップ)
.psd(ピーエスディー)
.psb(ピーエスビー)
.ai(エーアイ)
.jpeg(ジェイペグ)
.png(ピング)
.webp(ウェッピー)
.svg(エスブイジー)

などで、他にも.gifや.sai、.prproj、.aep などがあります。
(現場ではもっといろんな種類を見ている可能性はあります)

それぞれの対応分野と特徴を見ていくと、

【特定のソフトウェア関連】

.clip/CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の独自保存形式。
.sai/ペイントツールSAIの独自保存形式。
.psd/Adobe Photoshopの保存形式。使用している画像ファイルも含む
.psb/Adobe Photoshopの保存形式。比較的大きめのファイルが多い
.ai/Adobe Illustratorの保存形式。使用素材は別途必要(※)
.prproj/AdobePremiereProの保存形式。使用素材は別途必要
.aep/AdobeAfterEffectsの保存形式。使用素材は別途必要。
※設定により単独でも素材を保持できる場合があります

 

【画像関連】

.jpeg/画像の一種。広く長く使われている。色数が多く軽量。
.png/画像の一種。jpegと違い透過や透明度の設定が可能。jpegより重い。
.webp/画像の一種。高品質ながらデータが軽い。
新しい形式のため対応していないソフトが多く注意が必要。
.svg/画像の一種。ベクター形式であり、拡大しても荒くなることはない。
サイト上で色を変えたりするなどの加工が可能。

恐らく私が把握していないものもたくさんあるため、
「これが現場のすべての拡張子だ!!」とは言えませんが、
多くお見かけするものとしてはこれらかなと思います。

 

気を付けたい事

拡張子といってもそれぞれに癖があり、
目的の向き・不向きやメリット・デメリットが存在します。

例えば、JPEGは軽くて色数も多いが、
ファイル特性のため、保存を掛けるごとに品質が劣化していく。
(不可逆圧縮などと呼ばれています)

その反面、PNGはファイルは軽量でないものの、
ファイル特性で見れば保存をしても理論上劣化しません
(可逆圧縮となどと呼びます)

また、Webpは可逆・不可逆圧縮のどちらにも対応し、
データ数をさらに軽量化できるメリットがあり、JPEGやPNGで出来ないアニメーションの設定や、PNGやGIFで可能な透過をできる特徴があります。WEBページで表示するには非常に便利なファイル形式です。

ただ、WEBの場合はともかくとして、
Webpは対応できるソフトウェアが少なく、
AdobeXDなどはこの記事の執筆時点では対応していません。
Photoshopも「Photoshop 23.2 」から対応し、比較的最近の出来事です。

大事なのは、それぞれの特性を理解して柔軟な対応が取れることです。
必要な創作活動の邪魔にならないよう、
特徴を知ったうえでファイルを使いこなしましょう。

 

応募でよく見る拡張子

せっかくなので、採用側からの視野も共有したいと思います。
応募いただく際によく見かける拡張子はこちら。

.pages
.numbers
.key
.word
.mov
.heic
※今までに上がったPDFやJPEGなどは除外しています

これらのうち、注意いただきたいのが
「.pages .numbers .key .heic」の4種類。
どれもApple社のMacintosh(Mac)のファイル形式のため、
恐らく開けない採用担当者が多いのではと思います。

日本のWindowsシェアが約7割、
Macが1割と言われているので、恐らく特定の業界以外では
ほとんど確認が出来ないと思われます。

もし、どこかの採用募集に応募する際は、上記の4形式ではなく、
PDFなどのマルチ対応可能な形式でご提出いただいた方が
採用担当にとって非常~にありがたいです。
(よくこれが原因で応募データの再提出をお願いしています)

 

PDFなどの方がいいもう一つの理由

応募データではPDFなどの方がいいという理由にはもう一つありまして、
データの不備が出る可能性があるためです。

たとえば、AdobeIllustratorで制作した
デザインデータをお送りいただいたとします。
せっかく作ったデータなのでちゃんと見てほしいですよね。

しかし、Illustratorはただ保存するだけでは
使用している画像などの素材が保存されず、
不十分なデザインデータの「.ai」となります。

正しく送るのであれば、
「.ai」と「使用している素材データ」を
まとめて同じ階層でお送りいただく事が確実ですが、
やり方や原理をわかっていなければ不備が起きやすい段階です。
(一発でそろえる方法もありますがそれは別の機会に)

かといって、「埋め込み(※)」と呼ばれる方法では
使用している素材、またはその量によって
保存したaiファイルが相当なサイズまで重くなり、
開いた側のPCがスペック不足であればまともに開くことはできません。
※素材とAiファイルを合体させる処理。想像以上に重くなる。

しかし、PDFは素材も含め1個のファイルとして軽量に仕上がるため、
見る側も確認しやすく、社内での共有も比較的容易です。
重くなった場合は圧縮などで簡単に軽量化できるので、
PDFでの提出は応募者にも企業側にもメリットがあります。

 

おわりに

今回は拡張子のお話をさせていただきました。

意外と気が付かない部分ではありますが、
ファイル形式の良し悪しをわかっておくことで作業にも役立ちます。
それぞれの拡張子の使い方や裏技は別の機会にお話しできたらと思います。

ここまで本記事をお読みいただき誠にありがとうございました。
次の記事もお読みいただけますと幸いです。

執筆担当/小林

 

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