アシスタントディレクターとしての仕事で印象に残っているのは、複数の原作者さんがいる小説の作品をWebtoon化する案件です。クライアント、複数の原作者はもちろん、ネーム担当、線画担当、背景担当など、社内のビジュアル専門チームの各作家まで、数多くの関係者の意向を汲みながら、いかに読み応えのある面白いWebtoon作品に仕上げていくか？　小説とWebtoonとでは当然、表現内容も変わってくるため、書籍の内容からの取捨選択は非常に難しかったです。そんななか、私が心がけたのは、作品をつくっている作家たちのモチベーションを保つこと。Webtoonは企画開始から公開まで1年くらい、もしくはそれ以上かかることもあり、その間、作品づくりに対する作家の思いが低下してしまえば、作品の質に影響を与えかねないからです。作家にとってできるだけ話しやすいディレクターであろうと心に決め、いつも楽しく描いてもらえるようにした結果、最終的にみんなが納得のいく作品を作れた時は達成感を覚えました。

作品づくりに携わっていて最もやりがいを感じるのは、自分がずっと好きであり続けているマンガやイラストを仕事にしているということです。実は私自身、絵を描くことも好きで、たとえば、線画の作家さんに、「こういう修正をお願いします」とお願いする際、私が描き込んだものを見せながらお話しをしたりも。作家さんから「すごくわかりやすいです」と言っていただけた時は、絵を描くのが好きでよかったなと思います。一方、プロデューサーとなると、作品づくりだけでなく、クライアントとの折衝、社内チームのマネジメントなど、広い視野で業務に取り組む必要があります。入社半年ほどでプロデューサー昇格を打診された時は、大丈夫かなという不安がありましたが、その反面、もともと、そうした責任ある仕事に携わりたいと思っていたため、うれしく思いました。周りのメンバーに支えられて今日まで成長してこられたので、これからは中心となって周囲のメンバーをサポートしていきたいです。そして、みんなで助け合って成長できるようなチームを作っていきたいと思います。